今回ルマン24時間で中野選手のお手伝いをすることになったフランス在住のAと申します。
このページをお借りしてルマン24時間の話や中野選手の様子を簡単なレポートでお届けしたいと思いますので、
どうぞ宜しくお願い致します。 |
Vol.16 グランドフィナーレ 6/22up NEW! |
6月19日午後4時。ルマン24時間レースはついにグランドフィナーレを迎えました。スタッフやドライバーは全員ピットレーンに飛び出し、マシンがゴールする瞬間を待ちます。トップのマシンにチェッカーフラッグがふられると会場から大歓声が沸きあがり、24時間戦い続けたドライバー、マシン、チームに満席のスタンドから惜しみない拍手が送られ、サーキットは最高潮の盛り上がりを見せました。その場にいた僕も思わず涙が出そうになるぐらい興奮、感動してしまいました。ルマン24時間は本当に素晴らしいレースでした。
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Vol.15 レースの合間に 6/22up NEW! |
ルマン24時間は長時間の耐久レースのため、ドライバーのコンディションニングがとても重要です。レース中他のドライバーがドライブしている間、残りの二人のドライバー達はこのような部屋で休息をとります。チームによって様子は異なりますがクラージュの場合、1部屋にベッドが3つ入れられ別の場所にはシャワーが用意されていました。写真で中野選手とジョナサン・コシェ選手が使用しているのは酸素を吸入する機械で、これを使用すると肺の細胞が活性化され呼吸がラクになるそうです。感想を二人に聞くと二人とも「今は特に何か変わった様子は感じられない」そうですが、レースが厳しくなってくると効果が表れてくるそうです。
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サーキットでは基本的にチームが用意してくれる食事を皆でとります。中野選手の所属するクラージュ・コンペティションの食事を僕も食べましたがとてもおいしかったです。メニューはフランスらしく、前菜、メイン、デザート、チーズ、コーヒーまで用意されているので、つい食べ過ぎてしまうのが難点。しかし選手たちはやはりサラダやチキンなどヘルシーなものを食べていました。この日はフランスではポピュラーな血のソーセージが出ましたが果たして中野選手は食べられたのでしょうか?
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決勝前日の夜、大聖堂のあるジャコバン広場でドライバーズパレードが行われました。これは各マシンのドライバー3人がクラシックカーに乗ってルマン市内をパレードするというものなのですが、とにかくこれを見に集まった人で広場周辺は大混雑!沿道には折り重なるように人が密集し、ドライバーの乗った車が来る度にサインやグッズを求めて大騒ぎでした。中野選手もこのパレードでオリジナルコースターを配っていたのですがあまりの人の多さで用意していた分はすぐになくなってしまったそうです。パレードにはブラスバンドやダンサー、なぜかサンバの一団もいたりして、とても華やかなレース前日のイベントでルマンの町全体が盛り上がった感じでした。 |
サーキットはとにかく広くその広大な敷地内にはvillageと呼ばれる店が建ち並ぶエリアがあります。ここでは第1回ルマン24時間耐久レースが開催された1923年の様子を描いた絵や古い本、歴代のマシンの写真やプラモデルなど様々なモータースポーツグッズが売られています。面白いことに中にはエルメスなど高級ブランドの店もあるのがフランスらしいかもしれません。また今大会中に撮影したと思われるドライバーのプロマイドなども即売されています。もちろん中野選手の写真もありました。 |
サーキットではすでにレースファン達もレースに向け準備を着々と進めています。サーキット付近には予選前からキャンピングカーが並び始め、早々と宿泊用のテントも張られていました。夜にはバーベキューをしたりして早くも盛り上がっているようです。これらの数はレースに向けて益々増えていきます。車のナンバープレートを見るとフランス国内だけではなくイギリスやスイスなど近隣の国からもファンが続々と乗り込んできているのがわかります。サーキットには移動遊園地も建設され、ルマン24時間は世界最大のモータースポーツの祭典だとも言われますがこの様子を見るとそれも納得。 |
この日はレースに備えてピットストップテストが行われました。レースではドライバー交代の際にドライバー自身がそれぞれシートを乗せかえ、走り終わったドライバーが次に乗り込んだドライバーのベルトを締めたりするので一連の動作をいかにスムーズに行うかを何度も確認し、タイムを計って練習していました。2枚目の写真はマシンを降りた中野選手がブルース・ジョアニー選手のベルトを締めているところです。このあとメカニック達もタイヤ交換などピット作業の練習を行いました。 |
これはジャコバン広場というルマンの中心地にある広場で車検が行わた時の写真です。この車検は一般公開されているので、広場はマシンやドライバーを見にやってきた大勢の人々で大盛況でした。ドライバー達は一歩歩くごとにサインをせがまれ、なかなか前に進めないほどです。この日は車検の他、サイン会やテレビ番組の収録も行われました。ヨーロッパはモータースポーツファンの層がとても厚く、この日も子供からお年よりまで家族連れ、カップル、レース仲間など本当に様々な人達が集まっていました。車検ですらこの盛り上がりなのでレース本番は一体どうなるのかという感じです。 |
ルマン24時間には毎年世界中から大勢の観客が集まるので、近隣にホテルを確保するのは至難の業です。今回クラージュのドライバーの何人かはホテルではなく、チームが用意した家で共同生活をしています。中野選手も数人のドライバーと一緒にこの家に滞在しています。同じ家に滞在する事でドライバー同士のコミュニケーションも増えるのでこのシステムはなかなか良いようです。家の敷地内には馬やアヒルが飼われていて、フランスの田舎らしいなんとものどかな雰囲気です。 |
サーキットにはテストの時にもすでにファンの人達が足を運んでいました。中野選手も沢山のファンにサインを求められていましたが、驚いたのはそれらの人達が中野選手のF1時代の写真等を持ってきていたことです。中には本人も持っていないような貴重な写真もあったようで中野選手自身も驚いていました。また今回のレースには中野選手のF1時代のチームスタッフやヨーロッパの友人も沢山来ていて、彼らがガレージに訪れるたびに久しぶりの再会を喜び合っていました。中野選手の海外での交流関係の広さを実感させられた出来事でした。 |
Vol.06 ADVANタイヤの搬送 6/14up |
レースに備えてサーキットでは早くから様々なものが準備されます。マシンはもちろん、タイヤ、燃料、食料、医薬品,建材などが次々と運び込まれます。この日は今回のレースで使う横浜ゴム・ADVANタイヤが大きなトラックで搬送されてきました。ここでタイヤが念入りにチェック、準備されて各チームに供給されます。今回の横浜ゴムADVANタイヤは全部で2000本。これらは全てドイツからこのトラックで十数時間をかけて搬送されてきたそうです。 |
ドライバーの着るレーシングスーツにはご存知の通り、沢山のワッペンが縫い付けられています。多くの場合はレーシングースーツを作る際にスーツメーカーが刺繍をしますが、今回はチームに専門の人が来てくれて全員のスーツにワッペンを縫い付けてくれました。次々と所定の位置に綺麗に縫い付けていく様子はまさにプロの仕事といった感じでした。彼女と話したところ、「慣れれば簡単」だそうです。中野選手のスーツにも横浜ゴムADVANのワッペンを始め、様々なスポンサーさんのワッペンが見事に縫い付けられました。 |
マシンにはとても綺麗にステッカーが貼られていますが、誰が貼っているのかご存知ですか?ステッカーはデコレーターという専門の人が貼っています。でも今回は特別に、中野選手のスポンサーをしてくださっているaimさんのステッカーを中野選手自身が貼らせてもらえることになりました。まっすぐにステッカーを貼るのはなかなか難しいようで、何度も位置を確かめて慎重に貼っていましたよ。黒と赤のADVANカラーの13号車のマシンはとても格好がよく、サーキットでも目立っていました。 |
ルマン24時間は3人のドライバーでタッグを組みます。これは今回中野選手がドライブする13号車のドライバー、J・コシェ選手、B・ジョアニー選手、そしてチーフエンジニアのニコラが顔を合わせて初めてのミーティングを行った時の写真です。中野選手以外は全員フランス人です。中野選手に聞いた二人のドライバーの印象はコシェ選手は感性でマシンをドライブするタイプ、ジョアニー選手はマシンのことを考えながら走るドライバーだということです。コシェ選手は典型的なフランスの若者といった感じで、ジョアニー選手は年の割に落ち着いた感じだそうですが、二人とも明るい性格で、中野選手も彼らと冗談をいいあったり、すっかり打ち解けているようでした。 |
レース前にはマシンの車検が行われますが、ドライバーもレースの前にレースで使うヘルメット、レーシングスーツ、グローブなどをチェックされます。この日はそれ以外にも今大会のパンフレットに載せる写真を撮ったり、各ドライバーが自分のプロフィールを確認したりもしました。全てのチームのドライバーが入れ替わりここへ来るのでとても賑やかな感じです。この日、中野選手は初めて今回レースで着用するレーシングスーツに袖を通すことになりました。僕自身も経験上今まで色々なドライバーを見てきましたが、やはりどのドライバーもレーシングスーツを身につけるとさらにイキイキとしてくるように感じますね。 |
この時期のフランスはスポーツの話で盛り上がります。テニスの全仏選手権が終わったかと思えば、ほどなくルマン24時間耐久レースが始まるのです。パリからルマンへはTGVという日本でいう新幹線のような特急が出ていますが、これに乗ると1時間弱でルマンに到着します。(ちなみにフランスではストが多く、このTGVも突然運休になったりするのでとても困るのですが、フランス人は慣れっこのようです。)写真のように駅構内にはルマンの看板がたくさんあり、ここからすでに盛り上がった気分になります。 |
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