07.
Jun.
2012
このサルテサーキットの夕暮れ時の空の美しさは筆舌に尽くしがたい。
何度訪れても、何度でも感動を覚える事が出来る色、匂い、そ の感覚を皆さんにも感じてもらいたい・・・。
18歳の時に初めて訪れてフランス。
この国がこんなに自分自身の思い入れのある国になるとは正直思いもしなかった。
今回は時差調整と諸々の準備の為に少し早めルマン入り。
最初の数日はルマン郊外のとっても田舎にあるB&Bで過ごす 事にしました。
ここが何とも不思議な空間なのです。
家の外は見渡す限りの田園風景。
夜は明かり一つ見えません。
聞こえるのは動物の鳴き声と、ただただピースフルな静寂のみ。
そして何より癒されるのはこの動物達との生活。
孔雀に犬に猫に馬に鶏達。
正直なところ僕は動物が怖くて、あまり得意な方ではないのですが。(笑)
皆本当に人懐っこくて可愛すぎる。
日本で心身共にぎりぎりまで追い込んできた数ヶ月だったので、
この時間は僕に本来の時間の概念を取り戻させてくれます。
こういう環境に少しでも身をおくと、人の持つ価値観と言うものを非常に深く考えさせられます。
僕にとってはこの「静」の時間が、究極の「動」の世界に身を置いてきた自分のバランス感覚を研ぎ澄ます大切な時間。
こうして世界で戦い続ける事のもう一つの大きな意味はそこにあります。
人として今をどう生きるかを考える時、そしてこれからの人生においては、
これほどの素晴らしいプレゼントはないと信じます。
時間は有限です。
だからこそ素晴らしい時間には感謝を、そしてそんな素晴らしい時間を得るために、
人はアクションを起こし続けるのでしょう。
そしてもう一つの僕の夢の為に、こうして今年もこのサルテサーキットに戻って来れた事を心から嬉しく思います。
テスト走行まであと少し。
一年ぶりのレーシングマシン、嫌でも心が高ぶります!
中野信治