11.
Jun.
2012
今年のルマン24を共に戦うのは「Boutsen Ginion Racing」
元F1レーサーであるBoutsen Guinion氏の名前を冠するベルギーのチームです。
チームとの初仕事はシート作 りから始まります。
ルマン24は各チーム3人のドライバーで戦う為、1台のマシンにつき各自に合わせた3つのシートが必要になります。
まず一番体格の大きなドライバーがベースを作り、その上から順番にそれぞれのシートを作成します。
今回一番大柄なのはドイツ人ドライバーのJens Peterson。
彼が事前に作成したシートが気に入らないとかで急遽シートを直すことに・・・。
彼のシートが完成したのは日付が変わる午前0時頃・・・。
そんな事で僕のシート作成はテスト当日の夜中の2時までかかってしまいました。
それでもチームは嫌な顔一つせず黙々と作業をこなしてくれていました。
誰もいないサーキット。
こうした時間がチームとの絆を深めてくれます。
そして翌朝からルマン公式テストが始まりました。
今年のマシンは黒とオレンジのカラー。
昨年が派手な色のマシンだっただけに少し地味にも見えますが、なかなかいい色です。
テストの方はチームメート達も順調に周回をこなす事が出来て、トラブルフリーの1日を過ごす事が出来ました。
チームにとっては初めてのルマン24。
いきなり最高のマシンセットアップを見つけることは至難の業ですが、
今回のテストでやるべきことは見えてきました。
ここは僕の得意分野なので、チームメート達が快適に操れるマシンを少しでも早く作り上げていきたいところです。
僕にとっては一年ぶりのレースマシンになりましたが、感覚は思っている以上に早い時間で取り戻せました。
毎年こうしていきなりマシンに乗ることには一抹の不安がない訳ではありません。
もちろん出来るならば十分なテストを行ったうえで、ルマン24の本番を迎えたいと思っています。
ただ今は状況が許される中で、最高の結果を残す事が僕の仕事。
もちろん僕自身出来る限りの準備は今までしてきました。
レースウィークを控えた今、否が応でも僕の集中力は高まります。
今年のチームメートはフランス人のBatien Briereとドイツ人のJens Petersonです。
2人ともそれほどレースの世界で輝かしいキャリアはないのですが、
コンスタントに大きなミスなくテストをこなしていました。
昨年に引き続き今回もマシンのセットアップからレースコントロールまで、
僕がチームをまとめる役割になりそうです。
今回何よりいいのはチームメートの2人が信頼のおける本当にいい男だという事。
チームの皆とも、チームメート達ともレースまでにそれほど長い時間を過ごせる訳ではないですが、最高の関係を築き上げていきたいと思っています。
本当にあと少し!!
中野信治