中野信治 公式ウェブサイト Shinji Nakano Official

ルマン24公式テスト

17.
Jun.
2013

6月9日、ルマン24公式テストが行われました。

ルマン24ではレースが行われる2週間前に一度だけ合同テストが行われます。
ここでチームはマシンの問題点を洗い出しレースウィークに備えるのです。

僕にとっては昨年のWEC富士以来、半年振りのレーシングカーのドライブ、
そして1年ぶりのルマン・サルトサーキット。

今年は昨年の富士を共に戦ったDelta-ADRと共にルマン24を戦います。
ただ今回は2台体制になった為、メカニックやエンジニア、そしてチームメートも少し変わります。

チームメイトの一人は昨年のWEC富士で一緒に走ったトー・グレーブス。
もう一人は新人のアーチー・ハミルトン。
まだ22歳の若者です。おじいさんが60年前にルマン２４を制した人だとか。
このイギリスの若者はやんちゃでかなりのイケメンです。
しかもお坊ちゃん！2年前のヤンを思い出すな（笑）

初テストの感触はまずまず。 午前の走行はトラブルもあり殆ど走ることが出来ませんでしたが、午後からはラップを重ねることが出来、新しいチームのマシンの感触も掴むことが出来ました。
http://as-web.jp/news/info.php?c_id=9&no=48944

チームやエンジニアによってマシンのセットアップのフィロソフィーが違うため、
ドライバーはいち早くそのマシンとエンジニアの癖を理解し、自分に合ったマシンをイメージしていかなければなりません。

僕はこの作業が得意分野でもあるので、この日も走行後には毎回多くの時間をエンジニアとのミーティングに費やました。

今回僕にオファーをくれたこのイギリスの強豪チームもそういった部分でも大きな期待をしてくれているのが伝わってきます。

今回のテストで得たデータを元に次のレースウィークのスタートセットアップをエンジニアが作ります。
どんな数字が出てくるのかが楽しみ。

レーシングカーは基本「数学」です。
そこに経験と感性が上手く融合してくるといいマシンが仕上がってきます。
これはエンジニアの地頭の良さとセンスです。
もっと言えばドライバーの感性と経験も重要でしょう。
僕はこうしたパズルを解くのが得意なので、セットアップシートを見るとわくわくしてくる。(笑)

今回僕が出場するP2クラスは台数の多さとドライバーの質を考えれば、今回のルマン24でもっとも競争が激しく結果を残すのが難しいのが予想されます。
僕のチームのもう一台のマシンには先日INDYで優勝したマイク・コンウエイが乗ります。

他チームにもF1テストドライバーや元F1ドライバーがあちこちにいる。
年に１、２回しかレーシングマシンに乗らない僕が彼らと同等に走れるのか？！
不安が全くないと言えば嘘になりますが、それ以上にどこまでやれるかが楽しみです！

勝負はこれからです！

中野信治