パリの街にて想う
毎回ルマン24を戦い終わったあとに少しの間訪れるフランスの都、パリ。
その美しい町並みや数多の芸術品の数々は毎回僕を楽しませてくれますが、今回のパリで一番感動的だったのがマドレーヌ寺院で行われていたクラシックコンサートでした。
夜食事を終えてオペラの辺りを散策していたのですが、街角に一枚のコンサートの張り紙を見つけたので行ってみる事に。
夜の教会はちょっと怖かったりするのですが、恐る恐る教会のドアを開けたところ聞こえてくるのはとても美しい音色。
これは聴くしかありません。
その場で運よくチケットを購入することが出来、さっそく中へ。
演目を見てみると誰もが良く知っているものばかり。
ヴィヴァルディーの『四季』はそれほど音楽に詳しくない僕でももちろん知っています。
今回は小規模なオーケストラにソプラノも加わって『Ave Maria』と『Casta Diva』も演目の中にありました。どちらも好きな曲。
やはりこの辺りはパリの中心地で観光客が多いので誰もが知っている演目なのでしょうか。
教会に入って直ぐに聞こえてきたこの2曲ですが、夜の教会の独特な雰囲気とこのソプラノがあまりに素晴らしかったこともあり、不覚にも感動して涙が出てきてしまった。
僕はなかなか涙を見せない人なのですが、年のせいもあるのかな・・・。
今回は本当に色々なことがあったルマン24の戦いの直後だったのもあるかもしれません。
『四季』は壮大でした。春から冬まで全て演奏してくれたのでしっかり聴くことが出来てよかった。
それぞれの季節をイメージしながら聞こえてくる旋律に耳を傾けると、この作曲家がいかに天才だったかがわかる気がします。
僕は「春」が好きです。
最後はスタンディングオベーションにて終了。
こんな感動的な時間を素晴らしい教会で気軽に楽しめるのもパリの魅力なのかもしれません。
文化的なことに触れるという意味では、このパリは素晴らしく魅力的だと思います。
一部の女性にとっては買い物の方が魅力的かもしれませんが・・・。
買い物の時間を少し減らしてこういった時間に使うことが出来れば心が豊かになる気がします。
この日の昼に訪れたオペラ座もまた素晴らしいものでした。
こうした歴史ある建造物がそこここに見つけられるパリ。
それらの建造物からはこの国の持つ頑ななまでのプライドが感じられます。
こうした建造物や街の風景を眺めていると、どうしても日本との比較をしてしまいます。
海外の人達が千年の都とも言われる京都を好きな理由も分かるような・・・。
彼らはもしかしたら日本人以上にその素晴らしさに感動し、それらの建造物を後世に残してきた人たちの素晴らしさをも深く理解しているのかもしれません。
街の風景。
僕はこの数十年の間色々な国を回って、本当に色々な街の風景を眺めてきました。
皆さんは未来の街の風景をイメージしたことがありますか?
そこには何が見えますか?
中野信治