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琴線感覚

琴線感覚

今年世の中を大きな不安の渦に陥れたサブプライム問題にリーマンショック。
そしてこれらの問題に大きな影響を受け起こった株価の乱高下、外貨価値の大きな変動を始めとする、経済危機といっても過言ではない数多くの問題。
世界大恐慌なんていう恐ろしい言葉も聞かれるようになりました。

これから世の中がどのように変化していくかを正確に予言(予見)できる人はいないでしょう。
ただここから数年、数十年?いずれにしてもそう遠くない将来、人の意識が大きく変化していかなければならない出来事が起こるのではないかと感じているのは、僕だけではないはずです。

現代人の持つ人や物、そしてお金に対する価値観も変わり始めるのでは???
もうその時が来た時の為に、心の準備をしなければならないのかも。
変化は時に恐ろしい事かもしれませんが、必ず起こります。

今の時代が人間にとっての大きな転換期になるとしたら、そんな大事なタイミングにこの世に生きていられる事に感謝して、そして新しい時代への大切な第一歩を踏み出す事に喜びや意義を感じられるといいなぁと思います。

どうせ起こる変化なら、目先の点ではなく、50年・100年先に素晴らしい変化が起こることをイメージしながら、目先の変化を恐れず、前に進みたいものですね。

明治維新が起きた時、この国で志の高い多くの志士達がどれくらい先の日本をイメージしていたのだろう・・・
なんとなくそんな事柄にも思いを馳せてしまう今日この頃です。

金銭感覚ではなく琴線感覚を磨く、いや取り戻すと言った方が良いのかもしれませんが、そんな時代がきたのではないでしょうか。

この日出る国、日本という国の持つ力、そして日本人の持つ精神性や品格、美意識から文化に至るまでが、これからの時代、これから起こるであろう変化に大きな役割を担う事が出来ると僕は思っています。

そのことに僕ら日本人が気付き、もう一度原点回帰する事が先なのかな。

僕も含めてですが、今のままの日本・日本人では・・・。

全ては意識する事から始ります。
そして認知から行動へと。

今世の中のシステムは過渡期にあると言っても過言ではありません、形こそ変わってはいますが、僕らのご先祖様の時代にそのようなタイミングで何が起こってきたのでしょう?
過去の歴史を紐解くと、見えてくることが多々あります・・・。

こんな時期だからこそ、自分自身を内観する事を忘れず、変化を楽しみながら、前に進んで行きたいと、僕は強く思います。
目先の点ではなく、もっと先の事をイメージしながら・・・。

そんなことに使う時間はないと言われそうですが、時間とは作るもの。
時間の概念とは、そもそも自分自身の意識している部分とは、大きく異なるものだとも思います。

例えば・・・時間がないから、忙しいから、そんな理由で電話を返さない、メールを返さない方がいらっしゃるとしたら、それは自分自身を内観しなければならないタイミングかもしれません。
どんなに偉い人も、普通の人も、与えられている時間は1日に24時間。
そこに、なんら変わりはありません。
些細な事ですが、これからの時代、そんなちょっとした事柄によって、人間の真価が問われるようになる気がします。

冬の朝に窓から差し込む眩い光、一転して窓を打ち付ける大粒の雨。
静と動。
ほんの日常の中で、少し気をつけてみると静と動があちこちに見られます。
今こそ皆が持っているはずの静と動を今一度意識するタイミングなのかも。

僕の人生も静と動。
レーシングドライバーという職業は、常に極限のスピードでの戦いを強いられる特殊な仕事です。
だからこそ穏やかな時間、静の時間が大切であり、いつも僕が僕である事を自然と思い出させてくれるのです。
そして僕にとっては、走る事、すなわち動の時間こそが、静を意識する為のとても重要な時間にもなっています。

僕が走り続ける事のもう一つの理由。

僕には、その意味がほんの少し解り始めている。
気がしているだけかな・・・(笑)。

中野信治

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