18.
Apr.
2014
レースウィークの金曜日になってまさかこのような日記を書いているとは誰が予想しえただろう。
今回開幕戦にチームが参戦を見合わせると言う知らせを受けたのはレースウィークに入った水曜日だった。
まさに青天の霹靂である。
これは開幕戦で共に戦う予定であったチームメート達にとっても同じ気持ちだ。
我々ミレニアムレーシングはここまで実に順調に準備を進めることが出来ていた。
合同テストではトップタイムを叩き出し、プライベートテストでのテスト内容も非常に納得の出来るものだった。
僕自身もこちらに来てから1日も欠かさずトレーニングを続け、食事をベジタリアンに切り替え、徹底的に自分を追い込んで準備を続けてきた。
こんな自分になれるのは本当に久しぶりだ。
今の気持ちを活字にすることは難しい。
人生において確実なものなど何もないのかもしれない。
ただ目の前に起こる現実を受け入れられるかどうかは全て自分自身次第と言うことなのだろう。
まず浮かんだのはこの戦いを共に戦ってくださっている仲間達の顔だ。
そして中野信治の世界での戦いを期待し、 応援してくれているファンの皆さんのこと。
43歳と言う年齢になった中野信治を未だ変わらず応援してくださっている方達がいることは素直に嬉しい。
それに報いることが出来る回数が一つ減ってしまうことはやはり辛いことだ。
恐らく今僕は試されているのだろう。
正直何を試されているのかは分からない。
僕なんかが想像出来る範疇を超えた宇宙の本質へと繋がる何かが僕を試しているのかもしれない。
全ての出来事に意味があるとしたら、今はその本質へと繋がる何かを静かに考える時間だとは考えられないだろうか。
人は人生を歩む過程において本来持っているはずの物事の本質を見る力を失ってしまっているような気がする。
今回のような出来事は僕のレース人生においては初めての経験だ。
ただピンチはその人の思考の角度をほんの少し変えるだけでチャンスになり得ることを学んできた。
人生万時塞翁が馬。
勝負はここからだ。
中野信治