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LMESシリーズ 第2戦

2006.05.14 LMESシリーズ 第2戦 ベルギー・スパ
Po. No. Cl. Team Machine Driver LAPS
1 17 LM1 Pescarolo Sport Pescarolo C60 Judd Collard / Boullion 134
2 5 LM1 Swiss Spirit Courage LC 70 Judd Primat / Fassler 133
3 2 LM1 Zytek Engineering Zytek 06S Nielsen / Elgaard / Andersen 132
13 LM1 Courage Competition Courage LC70 Mugen Nakano / Kurosawa 53

From 中野信治:

ルマンユーロシリーズ第二戦は、スパ・フランコルシャンで行われました。この世界で最も危険、且つチヤレンジングなコーナー、「オールージュ」を持つコースと、変わり易く先の天候が読みにくい「スパウェザー」で有名なサーキットです。僕自身はこのサーキットをF1以来8年振りに走る事になりました。

今回僕のチームは13号車が僕と黒澤治樹選手、12号車がジャン・マルク・グーノン選手とアレックス・フライ選手というメンバーで走ることに。そして金曜日からプラクティスセッションが開始し、僕と黒澤選手とでマシンのセットアップを進めました。僕自身は久しぶりに走るこのサーキットを、もう1度体に思い出させる為に数周ラップを重ね、セッション中盤では昨年このサーキットでこのレースに出場している黒澤選手に交代しマシンのセットを進める作業に集中しました。

 

2回目のセッションは1回目に引き続きドライコンディションの中スタート。僕がこのセッションのスタートを担当しましたが、約セッションの半分を走行し、マシンの状態を確認後、黒澤選手にドライバー交代。同じようにセッションの残り半分を周回をこなしました。
この2回のセッションでは、幾つかのマシンの問題が見つかり明日への課題を残す初日となりましたが、ルマンに向けて少しでも多くの周回を走り込んで出さなければならない今の状況下では、これらのトラブルもチームにとっては重要な出来事です。1セッションが1時間しかない為、このような1周のラップが長いサーキットでは、あまり周回をこなす事が出来ません。トラブルが1つ起きてしまうと、貴重なセッションの殆どを棒に振ることになる為、常にチーム、ドライバー、マシンがいい状態でなければならないのは、言うまでもありません。
初日はあまり周回をこなす事が出来ませんでしたが、僕にとって久しぶりのスパを少しずつ体が思い出してきてきています。やっぱりこのサーキットは面白い!

2日目は、初日の天気の崩れを引きずっていて、雨は殆ど止んでいるものの、路面はウエットと言うコンディションの中スタート。中途半端な路面コンディションの中、僕はほとんど周回をこなす事が出来ずにこのセッションも終了。セッションの後半には、路面も乾き始め最後の数週は黒澤選手がドライタイヤで走る事が出来たのは、予選に向けては良かったかもしれません。プラクティスから早速「スパウェザー」の洗礼を受けましたが、この雨のお陰でレインタイヤのテストも行う事が出来たのは、大きなメリットになりました。
今回の予選は、昨年もこのレースを戦っている黒澤選手に任せ、僕はその状況をピットから見守る事に。そして予選開始。路面は朝から降ったり止んだりを続けている雨の影響でウエット。セッション後半に向けて路面が乾きだすといった、このサーキットでは良くある状況下進められました。タイムは最後まで伸び悩んでいたのですが、セッションが終わってピットに戻った後に、マシンに問題が生じているのをメカニックが発見。どうやらこれが原因でタイムが伸びなかったようです。この結果8番手からのスタートとなりました。

迎えた決勝日。やはりこの日も「スパウェザー」。サーキットの一部は霧に包まれ、雨が降っては止むという難しいコンディションでした。朝の練習走行は再びハーフウエットで、満足のいく周回はこなせませんでした。ただこのセッションで試す事が出来たタイヤがいい方向性を示してくれたのは、大きな発見になりました。

レースは正午にスタート。路面は朝からの雨は止み、ドライコンディション。ただ霧雨が降っていて、ほんの少し路面が濡れている嫌な状況でした。嫌な予感は的中し、スタート直後のオールージュで3,4台マシンが巻き込まれる大クラッシュが起き、レースは赤旗中断。1時間のインターバルを置いてのリスタートでしたが、フォーメーションラップ中に再び1台のマシンがストレートでクラッシュしセーフティーカーが導入されました。依然として霧雨は落ちてきており路面は所々濡れている状況下、ようやく3度目の正直でスタートがきられました。
その後は順調に周回を重ね、スタート後5番手まで順位を上げた所で、ピットに戻りドライバー交代。給油、タイヤ交換を済ませ黒澤選手がコースへ。僕がドライビングをしている段階からハンドリングに問題を抱えながらの苦しい走行でしたが、なんとかペースを維持しつつ走行を続けていました。黒澤選手に代わってからもこの問題は出ていたようですが、同じくペースを維持しつつ走ってくれていました。ところが給油の為ピットに戻りそのまま黒澤選手が再びコースに戻った数周後に他車に追突されマシンを壊してしまい、ピットまで戻ったものの修復は不可能という判断でリタイヤとなりました。

今回は終始難しいコンディションとトラブルに苦しめられましたが、チーム全体がこの経験を次のルマン24に生かせるかが今の大きな課題です。とにかくやれるだけの事はやりますね!

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